第4.5回中川巡検110619

日程

  • 6月19日~21日

メンバー

  • 井上(統合思念体)

1日目

  • 井上(準完全体)は、伊豆の修善寺にいた。学会的なものに出席するためである。昼から延々とセミナーを聞くこと、6時間ほどが経った頃か。流石に、少し集中力が切れてきた。興味の持てる話ばかりだったので苦ではなかったが、それでも楽というわけでもない。夕食後ということもあり、若干の眠たさまで襲ってきていた。
  • 心的な負荷が強まると、思考力というものは低下していく。そうなると、強い思いや抑圧された感情が湧き上がって来るものである。それは、この私も例外ではなかった。そして、頭に思い浮かんだそれは、「早く中川に行きたい」であった。
  • それなら思念体を飛ばせばいい。そう気付くや否や、この私は北海道中川町に向けて意識を集中させた。午後8時ほどのことである。

  • 暗い。真っ暗闇である。見上げると星が異様にきらめいてはいるが、それ以外はとても闇に包まれている。流石、中川。田舎である。そして、この暗さでは巡検は無理である。ちょっと急いで来過ぎてしまった。仕様がないので、ログハウスで寝ることにする。不幸中の幸いか、先客もおらず広々と使うことが出来た。

2日目

  • 朝5時。日が昇り始めるとともに目を覚ます。眠りでぼやけた頭を、巡検への意欲で満たしていく。セイコマで食事を買おうかとも思ったが、思念体にはそんな必要はない。まっすぐと向かう先は、ニオ川である。
  • ゲートの上を飛び越え、目的地へと更に進んでいく。巨大アンモを初め、多くの収穫をもたらしてくれた沢に、一年ぶりに向かうというのだ。心が躍る度合いはどこぞの部族のシャーマンに匹敵するくらいの狂乱ぶりだ。

  • 皆がユニッシュと呼称するところまで到達し、沢に下りる。地肌にはまだ冷たく感じる水すらを気持ちよく感じつつ、上流へと向かっていく。すると、十歩も進まぬうちに良さ気なノジュールを発見。九年目は伊達ではない。

  • 重大なことに気付く。ハンマーを忘れていた。仕方なしに石をぶつけて割ろうとするも、更に重大なことに気付く。思念体では物に触れることが出来ないのだ。

  • 痛恨のミスである。アンモ臭甚だしいノジュールを目の前にしてお預けをくらうのは、岩城さんが毒舌を我慢することくらいに体に悪い。しかし、どうしようもない。サルでもいれば憑依して道具を扱えるのだが、類人猿で最北の生息域を持つニホンザルですら、ここ蝦夷には生息していない。無理である。では、あいつではどうだろうか。道具は扱えないが、その力はおそらく北海道一。巨大で黒い例のあれ。そう、ヒグマである。奴の放つ、振りかぶり下段叩きであれば、中川町のノジュールくらいは木っ端微塵に砕けるであろう。砕けるであろう。ということは、駄目である。中にあるアンモナイトまで昇天してしまう。お手上げだ。

  • 意気消沈してログハウス下のBBQエリアに向かう。しかし、思念体では買出しも調理も摂食も出来ない。何も出来ない遣る瀬無さがつのる。しかし、哀しみを怒りに変え、無念を情念へと変えて、誓った。今年の夏には、中川に行こうと。

3日目

  • 思念体は残滓だけ残し、精神のほぼ全てをセミナーに集中させていた。締めのお話はうちの教授、題材はメンデル遺伝と・・・「異常巻きアンモナイト」である。20分以上も時間を費やし、異常巻きアンモナイトの紹介から、その形態の出来方の考察、更には実験で証明する構想といったことを延々と話していた。

  • うちの教授は生物の形というものに興味があり、それでネイチャーに論文が載ったくらいの人である。そして、アンモナイトの形についても、殻の形状から縫合線の模様まで、大変に興味を持っている。それがきっかけで知り合ったくらいだ。今回も、宿泊施設の床に敷き詰められた石に点在しているアンモナイトを見ては、子供のようにはしゃいでいた。

  • 本来なら、この教授を連れて小平辺りに行く機会があったのだが、五十肩が悪化した為に来年へと延期になってしまっていた。大層悔しがっていたのだが、ちょっと考えてみて欲しい。この私の教授であり、この私が師事するほどの人である。それだけで終わるはずがない。なんと、来年の学会は別のラボの当番だったというのに、自分でやることにしてしまい、更には開催地を北海道にしてしまった。しかも、アンモナイト採りツアーまで企画されている。最初は「再来年は北海道でやるかもよ」だったのが、「来年は北海道の線が濃厚だな」を経て、「来年はアンモナイト採りを頼むよ!」になっていた。

  • というわけで、来年の今頃は学会の集団がアンモナイトを採りに行く可能性が極めて高まりました。来年のシュマ札幌本部メンバーの方々につきましては、色々とよろしくお願いします。報酬は新品のハンマーとかの巡検道具(学会員が使ったやつ)になるのではないかと勝手に思っています。

  • 最終更新:2011-06-23 23:34:38

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